DCソレノイドの選び方


 ソレノイドの利用を考えていて、どのソレノイドを選んだら良いか分からないという方もいらっしゃると思います。

 ここではDCソレノイドの選び方について紹介していきます。

 できるだけ専門用語や数式を使わずに説明しますので、技術的な詳細については技術資料をご覧ください。


 「外形サイズから選びたい」

 使用したいソレノイドの大きさがある程度、決まっている場合はソレノイド外形サイズから選ぶことになります。

 標準品一覧表から取り付け可能なサイズのソレノイドをお選び下さい。

 取り付け可能なサイズのソレノイドが複数ある場合、大きい方が良いのか、小さくても良いのかで迷うこともあるかもしれません。

 その際は基本的には大きい方をお勧めします。


 ソレノイド外形サイズが大きくなることの利点は吸引力を大きくできることです。

 コイルが大きくなりますので同じ消費電力でも吸引力は大きくできます。(コイル銅線の巻き数を増やせる為)

 また、大きい方が放熱しやすいので、小さい方よりも高い消費電力とする事ができますので吸引力を大きくできます。

 ただ、大きくなることで使用する銅線の量が増える為に価格は高くなります。



「電気仕様から選びたい」

 ソレノイドに使える電圧や電力値が既に決まっていることもあるかと思います。


 カタログでは電圧をDC6V,12V,24Vとしていますが、これ以外の電圧でもコイル抵抗値を変えることで使用可能です。

 ただし、交流回路での使用は避けてください。可動鉄芯吸引後に振動が起きます。これは、電圧が下がって吸引力が減少した時に掛かっている負荷によって可動鉄芯が引き戻され、その後に電圧が上がって吸引力が上昇した時に可動鉄芯が引かれるという現象を繰り返す為です。全波整流器を使用する場合でも出力が脈流の場合は可動鉄芯が振動します。


 電力値が決まっている場合、通電定格が重要になります。

 連続通電なのか間欠通電なのかで使用できる電力値が変わります。

 吸引後にその状態を保持し続ける場合は連続通電となります。

 吸引後すぐに復帰して、そのまま通電をしない時間が長い場合は間欠通電となります。

 間欠通電なら連続通電より高い電力値とすることができます。電力値が高くなればソレノイド吸引力が増えます。

 ただし、間欠通電でも通電時間が長い場合は連続通電仕様ソレノイドにしないとコイルが焼損する可能性もありす。



「吸引力から選びたい」

必要な吸引力からソレノイドを選ぶ場合、まずは標準一覧表をご覧ください。

標準品一覧表には連続通電ができる消費電力での吸引力を記載しています。(小型ソレノイドは除く)

間欠通電の場合は各機種ごとのページにある吸引力グラフを参考にして下さい。ただし、記載の吸引力は全て周囲温度20℃初期での吸引力です。実際には通電による発熱で吸引力が低下しますので、ご相談ください。


通電により、ソレノイドのコイルが発熱し、コイル温度が上昇します。

コイル温度が上昇することでコイル抵抗も上昇します。

電圧が同じで抵抗が増えますので電流値は下がります。

電流値が下がることによってコイルの起磁力が下がり、ソレノイドの吸引力も下がります。


コイル温度変化による吸引力変化を簡易的に求めるには下表を使います。

コイル温度が20℃の時の吸引力を「1」とすると温度変化によって吸引力は下表のように変化します。

例としてコイル温度が120℃になると20℃時の0.52倍となり、半分近くに減ります。なお、これは簡易な計算式から求めた予測値であり、検討時の目安です。実際の吸引力は実機での確認が必要となります。


温度[℃]
0
20
40
60
80
100
120
吸引力係数
1.18
1
0.86
0.75
0.65
0.58
0.52